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高描写力なのに軽量なツァイスレンズ「Batis 2/25」購入レビュー

レンズ

※この記事は旧ブログ「1丁目6番地7号」での掲載内容を一部編集したものです


フルサイズ一眼カメラα7 IIIのお供としてしばらくはマクロレンズのSEL50M28だけで乗り切ろうと思っていたのですが、AFは遅いし広角好きとしては画角が狭いので風景撮りのため早々にレンズを買い足すことにしました。
と言うことで、今回はカールツァイスの広角単焦点レンズ「Batis2/25」のレビューです。


APS-C機のNEX-5Rを使っていた頃は、同じくカールツァイスの広角単焦点SEL24F18Zや超広角ズームSEL1018という10万円弱のレンズも持っていましたが、Batis2/25はそれらをも超えるほどの高額なレンズです。
しかし、この5年ほど一眼カメラを使っていく中で、レンズの出来が画質に大きく左右されるのを知ってしまったので、中途半端なものを選びたくはありませんでした。
SEL24F18Zに代わり、このレンズを自分にとってフルサイズの軸として使っていくつもりです。

フルサイズ対応の描写力の高さに加え、比較的軽量なのも魅力的なレンズです。


SEL50M28はフルサイズ対応ながらコンパクトなレンズでしたが、Batis2/25はまず箱からして大きいです。
これまで手持ちレンズの箱で一番大きかったのはSEL24F18Zで、それはレンズポーチがあったためでした。
それよりも大きいBatis2/25ですが、実はレンズ自体はそれほど大きくありません


箱にはカールツァイス公認のシールがあって、この段階から高級感がありますw


この外箱をスライドさせると中箱が出てきます。
外箱にはレンズの写真があり、中箱にはレンズの構成図があるというこだわりのある仕掛けとなっています。


中箱を開ければ、いよいよレンズお目見えです!


レンズはスポンジのような素材で保護されています。
このようにレンズフードが別になっていたり隙間が多いので箱が大きかったわけです。
高級感はありますが、箱も保管することを考えると個人的にはコンパクトな方が良かったと思わなくもないです(汗)


箱の中にはさらにフタがあって、そこに付属の書類が入っていました。


カールツァイスレンズではおなじみの認定証の他、取説類が入っています。
取説は分厚めですが、8ヶ国語分が掲載されているので、日本語のページだけだと単純に8分の1の厚みです。


続いてレンズを見ていくわけですが、その前にレンズフィルターを装着させます。


せっかくのカールツァイスレンズですから、安物は似合わないと思いフィルターもカールツァイスの純正品を選びました。
手元にあったケンコー製フィルターと比べるとパッケージはシンプルです。


中を開けるとケースが出てきました。
ソニー純正のフィルターにも似たようなケースが付属していました。
ソニー純正フィルターも製造はカールツァイスでして、ケースが付属されるのはカールツァイス共通仕様なのでしょうかね。
上記のケンコーのようなパッケージを兼ねているケースとは違って、ここでも高級感があります。


フィルター径は67mmなのですが、それに対してはケースが大きいです。
これは、他の大きな径でもこのケースが使われているのかもしれませんね。
レンズ同様、フィルターも安心と信頼の日本製です!


レンズに装着してみると、透明性がとても高く、レンズの前玉がある部分はレンズで光が反射していますが、周りの部分は反射していないのがお分かりかと思います。
まぁ他社製フィルターも決して劣ってはいないのでしょうが(汗)


続いてフードを付けます。
Batisシリーズのレンズは、フードとレンズそれぞれに白い印があるので、そこを合わせます。

レンズの先端から流線型を帯びており、フードを付けるとラッパのような形になります。
また、ピントリングがラバーのような素材ですから耐久性が気になります。

他の方のレビューでもこの2点に言及されているのを多く見かけました。
賛否はあるものの、この形状とピントリングのラバーは他社マウント用のカールツァイスレンズでも広く採用されているあたり一定の評価はあるのでしょう。

ピントリングの耐久性に関しては、店頭に展示しているレンズで著しく傷んでいるものを見たことがないので、意外と丈夫なのかもしれません。
ただ、ホコリは目立ちやすいのは店頭機でも同様でした。
一方、金属製と比べると肌触りが良いといったメリットもあります。


また、Batisシリーズレンズの特徴として、距離計を示す有機ELディスプレイがあります。
撮影している最中にこの箇所を見ることはほとんどないとは思いますが、先進性を感じさせます。


レンズ両横とレンズキャップにはカールツァイスのロゴが。
このロゴはプリントではなく、きちんと刻印されたものです。
ソニー純正レンズばかり使ってきた自分にはツァイスのレンズキャップが新鮮です。


レンズリアキャップは黒色なのでレンズとの一体感がありますが、ソニー純正のものと違って目印がないからレンズと合わせる位置がパッと見で判断しにくいのがやや難点。
よく見ると一応底の部分のに印があるのを発見しました。


レンズのマウント部分にはラバーのシーリングが施されており、防塵・防滴性を高めています。


α7 IIIに装着しました。
見た目には存在感のあるレンズですが、重量は335gとフルサイズレンズの中では比較的軽量な部類。
SEL50M28よりは少々重くなりましたが、まだギリギリ片手で扱えます。
自分は、撮影のために出かけるというよりは出かけた先の風景を撮るスタイルなので、お散歩カメラとして重量は大事なポイントでした。


テーブルフォトなど被写体に寄って撮影するのが好きな自分。
レンズ選びには最短撮影距離も重視しています。FEレンズって寄れるのが少ないんですよね…。
そんな中、Batis2/2520cm。これはセンサーからの距離なので、レンズの先から見ると体感的にもっと近づいている印象です。
さらにフードを付けるとあと数cmってくらいの距離になります。


しかし、元々が焦点距離25mmという広めの画角ですから、最短撮影距離で撮っても被写体を大きく見せて写すのには不向きですね…。
最大撮影倍率は約0.19倍となっています。


距離計の有機ELディスプレイは実用性よりも先進性の理由から自分は常にオンで設定しました。
設定はピントリングを回し続けると表示が出てきます。

被写体に近づきすぎた時は、距離計”0.2m”の表示の横に印が出るのも分かりやすくて良いです。


作例を撮るために、Batis2/25を持って大阪・梅田にお出かけしてきました。

<以降、Batis2/25で撮影した画像は6000×4000をアップロードサイズの関係で1800×1200にリサイズしています。>

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これまで主にSEL24F18Z(フルサイズ換算36mmの画角)で撮っていた自分は、カメラを構えると大体どこからどこまでが入るかがある程度身に付いていたのですが、25mmとなるとかなり広いですね。目の前の景色がほとんど入ります

オートフォーカスはSEL50M28とは比べものにならないほど高速、そして静かです。

続いてグランフロント大阪の建物内を撮影。
Batis2/25は広角レンズ特有の周辺が流れが目立つといったことはなさそうです。

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今度はあえて太陽を入れて撮影。フレアやゴーストは発生しませんでした

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夜の公園に場所を変えて、絞りを開放2.0にした後ろボケの写真。
解放にしていると玉ボケも綺麗です。ただし、絞っていくと徐々に角ばってしまいます。

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絞り開放で言うと、Batis2/25は周辺光量落ちが目立つらしいので自分も検証してみました。
白い壁を撮って見比べてみると、確かにF2.0では周辺が暗くなっています。
1/3段絞ったF2.2でも同様で、1段絞ったF2.8で改善します。
そこから先は似たようなものでしたので、2.8にしておくと周辺までくっきり写せてボケも楽しめるかもしれませんね。


NEX-5Rを使用していた頃、自分にとってのメインレンズだったSEL24F18ZはF値が小さいから暗所に強くてボケも楽しめる、さらに被写体に寄れて画質が良くて画角が自分好みという、欠点という欠点が見当たらないレンズだったのでフルサイズでのメインレンズ選びはかなり悩みました。(強いて挙げれば、ボディもレンズも手ブレ補正に非対応だった点くらいでしょうか。)

SEL24F18Zと同様の画角でいうと、ソニーから発売されているSEL35F28Z、SEL35F14Z、そしてカールツァイス発売のLoxia2/35があります。

しかし、SEL35F28Zはとても軽量だけど寄れない(最短撮影距離35cm)、SEL35F14Zは写りは良いけど重いし高額、Loxia2/35はマニュアルフォーカスと、どれも一長一短


そういった経緯で、画角は広くなるけど一番自分の理想に近かったのがBatis2/25だったわけです。
そんなBatis2/25にも欠点がないわけではなく、個人的には2点あります。

まず1点目はその値段
約15万円という価格設定はなかなか手が出しにくいでしょう。
フルサイズレンズは描写力を求めるとどれも高額ですから、α7 IIIを手に入れた段階で覚悟はしていましたが、レンズは少数精鋭で揃えたいところです。

もう1つの方が自分としては大きな問題なのが、ソニー発売のレンズではない点。
何が問題かというと、自分はα7 IIIをソニーストアで購入し「αあんしんプログラム」に加入しました。
これに加入しているとソニーストアで購入したレンズは無料で3年ワイド保証が受けられるという特典があります。
しかしサードパーティから発売されているレンズは当然ソニーストアで取り扱いがないので対象外なのです。


そんなわけで金額や保証がネックで購入に踏み切るまでに悩みもしましたが、レンズそのものについては、カールツァイスレンズだけあって写りは良いし、やや大きめながら軽量なので結果的に購入して良かったと思っています。

最後に作例を3つ掲載いたします。
こちらもクリックで拡大表示します。

夜でも手持ちでしっかり撮れます
大阪城も下から撮って全部入ってしまう画角
造幣局・桜の通り抜け
こういう感じの構図が好きですw
動画でも紹介しております
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