消せるボールペンの代名詞「フリクション」。
そのフリクションから2022年11月に新モデルとなる「フリクションボールノックゾーン」が発売されています。
これまでのフリクションよりもインクの色が濃かったり、レフィルのインク容量が増えたり、ノック音が静かになったり、ペン先のガタ付きを軽減するチップホルダーが搭載されたりと様々な面でパワーアップしています。
ベーシックモデルは税込550円、木製グリップの上位モデルは税込2,200円、樹脂製マーブル調グリップの最上位モデルは税込3,300円というラインナップです。
自分もこの新しいフリクションに魅力を感じ、せっかくだからと少し奮発して黒/赤用に木製グリップを2本購入しました。
ところが使ってみると意外な問題が発生。
自分はスタンドタイプのペンケースを使っており、上位モデル/最上位モデルはグリップ部分の色が異なるだけでペン本体の軸は全く一緒であるため、上部だけではどちらがどの色か区別できません。
2本だけなら一緒に取り出して必要な方を選ぶようにしていましたが、青色も揃えて3本体制にしたくなったので取り出す前に分かるようにならないものかと考えることにしました。
まず考えたのは、ベーシックモデルの消去用ラバーを使うという案。
フリクションボールノックゾーンはこれまでのフリクションシリーズの消去用ラバーとは互換性がありません。
しかしベーシックモデルとなら交換は可能で、消去用ラバーもベーシックモデル各軸の色が用意されています。
ところが、ベーシックモデルのラインナップの中で比較的赤系に近い「ファーストライクピンク」ですら色が薄いため、装着するとアンバランスで安っぽい見た目になってしまいました。
結局この方法は諦めて、次に試したのがペンにシールを貼るという案。
どの方向からも判別できるためにシールはぐるっと一周するのが良さそうなのと、もしかするとシールの粘着がボールペンに残ってしまう事態を恐れて、貼るのは取り替えができる消去用ラバーの部分にすることに。
縦は短くても横の長さはある程度確保できるシールということになるわけなので、四角いシールを細く切ることにしました。
ということでヨドバシでちょうど良さそうなシールを購入。
消去用ラバーの下部全体に巻けるように、高さを3mm程度でカットします。
長さは元のシールの横幅である38mm。
実際にに巻いてみたところ、視認性は良くなりましたがシールの色合いがはっきりしているせいか、こちらも安っぽい感じがしました。
またシール表面がツルツルしているためか、巻いて重なった部分はすぐにめくれてしまいます。
ちなみに先ほどは四角いシールの横側でカットしましたが、縦側をカットした場合は長さが25mmになります。
これだとペンの1周は満たしませんでした。
欠けた部分が気になってしまうのでやはり1周分の長さは欲しいところです。
ということで、今度は横側をカットする際の高さを限界まで細く切ってみました。
するとなかなか良い感じになったと思います。
ただしこちらも使っていくうちに剥がれてしまうかもしれないのに加えて、シール粘着面の白い部分が少し見えているのが気になるようになりました。
それでも区別はついたので一旦これで使っていこうと思っていたのですが、後日セリアでマスキング素材のシールを発見。
先ほどと同様に横側をカットします。
何パターンか試しましたが、こちらも高さは短めの方が良さそうです。
そしてマスキング素材のおかげで、シールが重なった部分が剥がれやすいということもなく、粘着面もシールと同じ色なのでより自然で一体感が増したと思います。
強いて欲を言えば柄は無くて単色の方が良かった感じもしますが…。
もちろんマスキングテープを使う手もありますが、その場合は縦にも横にもカットする必要があるため手間がかかりそうですし、とりあえず現在はこの対処法で落ち着きました。
しかしながらやはりメーカー側で対応してほしいところですね。
そもそもフリクションボールノックゾーンは全て黒色のリフィルがプリセットされているため、赤色/青色は別途リフィルを買い足さなければいけません。
ペンの軸色に赤色/青色がはっきりしたものがないのもその影響です。
例えば同じフリクションシリーズの中でも「ポイントノック」のように消去用ラバーだけでも色が違えば良いわけなので、赤/青用の消去用ラバーの登場を心待ちにしているところです。
せっかくなので、フリクションンボールノックゾーンについてもレビューを。
上位モデル/最上位モデルは、環境に配慮してプラスチック素材は使われておらず紙だけで構成されたパッケージに入っています。
高級ボールペンの場合、ケースも豪華なものもあるのですがこちらは至ってシンプルです。
上位モデルと最上位モデルは軸部分の素材は共通で、細かな違いとしてはロゴの色が異なるくらいです。
重量としては、グリップの素材の違いによって上位モデルの方が少し重くなっています。
しかしリフィルが金属のため全体的に重量が増した分、個人的には上位モデルがちょうどいい重量バランスに感じました。
軸の部分は樹脂ということもあり、上位モデル/最上位モデルともに高級感という面では少し物足りなく感じるかもしれません。
そう考えると、グリップからペン先の材質が違うだけ(正確には軸部分の材質も若干異なりますが)で、550円という価格で手に入るベーシックモデルはかなりコストパフォーマンスに優れていますね。
ちなみにベーシックモデルは0.5mm径が5色展開で、その中の3色は0.7mm径も販売されています。
消去用ラバーについては、半透明だと経年変化で黄ばんでくるのが気になっていたのですが、ノックゾーンは黒色(ベーシックモデルの0.5mmは灰色)になっています。
軸との一体感も増しましたが、前述の通り例えば暗めの赤や青を採用した替ラバーがあれば使い勝手も向上すると思っています。
形状も角張ったデザインとなり、角を使えばより細かな部分を消すことができます。
ボールペン本体だけでなく、リフィルやインクも改良されています。
リフィルには金属が使われるようになりました。
これによって樹脂よりもパイプの厚みが減り、インク容量は従来のものより70%増えたそうです。
一方、その影響でインクの残量は分かりにくくなってしまいました。
先端のところだけはプラスチックなので、無くなる直前に気付ける程度です。
インクの濃さについては、書き比べてみると確かに従来品よりも濃くなりました。
しかし一般的なゲルインクボールペンと比べてしまうとまだ薄い方です。
また、これまでよりもインクの出る量が多いので同じ0.5mmで書き比べても太く感じます。
手帳など細かな字を書く場面では注意が必要かもしれません。
メーカーサイトの説明によると筆記距離は約40%アップしたそうです。
リフィルのインク容量は70%アップですから、1.2倍ほど多くインクが出る計算になりますかね。
(170%のインクで140%筆記できるということなので、170÷140=1.214…)
その他に、冒頭で触れた通りノック音が静かになったりペン先のガタ付きが軽減されたりとボールペン/インクともに進化しています。
ボールペン本体とリフィルはそれぞれ従来のフリクションシリーズとそれぞれ互換性があるものの、やはり一緒に組み合わせて使うのが良いでしょう。
全フリクションユーザーにオススメですし、もっと普及して今後も様々なバリエーションが登場することを期待しています。